トップへ戻る

お問い合わせなど メールの受付はこちら


このページは「大若=神戸の壁跡1・17の集い実行委員会(清算事業団)」の一部です。

参考収録資料 阪神・淡路大震災から十年
「希望の輪 千羽鶴プロジェクト」
企画・運動の記録

 平成16年。やがて迎える「『阪神・淡路大震災』から10年」に向け、被災地・神戸で小さな取り組みが始まりました。被災地のどまんなかにある商店街と、メンバーのほとんどが被災者だった おりがみの同好サークルが立ち上げた取り組みは、市民各位や区、市の協力や賛同を受けて、大きく花開きました。その取り組みの記録を、ここにご紹介します。

 時を経て、神戸市の「子どもたちへのメッセージ運動」も当初予定の活動期間=10年間を満了して運動を終了、商店会の顔ぶれもほとんどが入れ替わり、おりがみサークルも指導者の逝去後 活動を停止しています。
 とはいえ、今も保管されているこのタペストリーは死蔵しておくにも惜しく、どなたかの手で活用していただけることをお待ちしています。

 ここに掲げられた千羽鶴タペストリー「明日への出発」は、当「大若=神戸の壁跡1・17の集い実行委員会(清算事業団)」の船引康義(当時の原画制作・設計者)が保管しています。ご用、お問い合わせ等は当サイトから電子メールでで承ります。

以下、参考収録資料(当時公開されていた「おりがみサークル紙ふうせん」のウェブサイトより)です。
つながらなくなっているリンクの修正以外、できるだけ当時のままに掲載しています。

千羽鶴タペストリー「新たな出発(たびだち)」全景

 サークル紙ふうせんでは、平成17年1月17日の阪神・淡路大震災十周年にあたり、被災地で開催される記念行事の一環として「千羽鶴」の製作と展示を企画しました。
 そして、これをいつも「大日ふれあいサロンおりがみ作品展・おりがみ教室」でお世話になっている、神戸市中央区の「大日通六丁目商店街」さまに提案、実施しました。
わたしたちの予測をはるかに超える約20万の折り鶴をお寄せくださったみなさま、そしてご協力くださったたくさんのみなさま、ほんとうにありがとうございました。
 現在、この千羽鶴タペストリー「明日への出発」は、わたしたち・サークル紙ふうせんが大切に所蔵、保管しています。


企画の趣旨

 わたしたちのまちを襲い、未曾有の爪痕を残した「阪神・淡路大震災」から、間もなく10年。
 内外からのあたたかいご支援とご協力を得て、震災の爪痕は日一日とまちから消し去られ、わたしたちの生活も徐々に平穏なものとなりつつある。
 やがて、この震災も過去の記憶となり、歴史の1ページに綴り込まれるばかりとなるであろう。
 しかし、わたしたちはこの震災によって亡くなられた6433名の方々を追憶し続けるとともに、この経験から得た記憶を風化させず、この経験から得た貴重な教訓を次代に継承する義務を感じている。
 わたしたちは震災10周年を迎えるにあたり、この思いを広く訴えるとともに、来るべき次の災害に備え、わけへだてなく等しい「ひとのいのち」の尊さを守る誓いの象徴を形作りたいと考えた。
 わたしたちは、幼い頃から日本独特の伝統手芸「おりがみ」に親しんできた。
 震災により、わたしたちのまちからまた古いものが少なくなった。しかし、おりがみはどんなことがあっても綿々と伝え続けられる。
 教えるひとがいる。教わる人がいる。たった一人で折ってみる人がいる。ただ一枚の古チラシからでも、伝統の美しさを紡ぎ出し、すさんだ心を癒すことのできるわざであることに変わりはなかった。そして、これからも変わりはない。
 そこで、わたしたちは古来よりの希望の象徴「折り鶴」にこの思いと誓いを託し、祈りの象徴である「千羽鶴」に綴りあげることを志した。
 「千羽鶴」の「千羽」とは、単に1000という数量のみならず、「多数」の表現でもある。わたしたちは、震災で失われた尊い人命への追憶と敬意を込めて、少なくとも6433羽の折り鶴を結集したい。できることなら、幸いにして今を生き得ている6433人の手で。
 この思いが届くなら、この数にも拘らない。10000羽でも20000羽でも、思いを同じくしてくださる方がある限り、いくつでも「千羽鶴」を綴りあげたい。
 そして、平成17年1月17日。阪神・淡路大震災から10年を迎えるその日、被災地域のほぼ中央部にあたる神戸市中央区・大日通の地にその全てを掛け連ねて、わたしたちの、そして思いを同じくしてくださる全ての方々の真心を広く披露し、被災地が踏み出す新たな一歩の道しるべとしたい。

                平成16年2月  サークル紙ふうせん

 

 希望の輪 千羽鶴プロジェクト
  
平成16年2月〜平成17年1月
主催 大日通周辺まちづくりを考える会(神戸市中央区大日通六丁目1-4)
企画 サークル紙ふうせん
協力 神戸市保健福祉局・神戸市中央区役所・神戸商工会議所・春日野婦人会・宮本婦人会・E-DESIGN・大日六商店会(順不同)


 

運・動・の・記・録
  


千羽鶴タペストリー
NHK神戸放送局のオープンスタジオに展示

 


 平成18年1月11日から1月19日まで、NHK神戸放送局1階のオープンスタジオに千羽鶴タペストリー「新たな出発」が展示されました。
 これまでの1年間、いろいろな所に貸し出され、たくさんのみなさまにごらんいただいた「6433羽」の千羽鶴タペストリーでしたが、昨年、確認された震災による犠牲者の総数が1名増えたことを受けて、このタペストリーにも新たに1羽を加え、鶴の総数を「6434羽」としました。
 今回は、阪神・淡路大震災発生からまる11年を迎えるにあたって、阪神大震災のパネル写真や視聴者のみなさまからのメッセージを展示する神戸放送局さまの企画「震災11年 被災地つなぐメッセージ」として、神戸市保健福祉局さまのお取り組み「子どもたちへのメッセージ運動」に寄せられた市民のみなさまからのメッセージなども展示され、それぞれのあの日、それぞれの11年の思いが来場者の胸を打ちました。
 そういえば、震災前にもこの同じ場所、トアロードに面した神戸市中央区中山手通にあった神戸放送局さまも、震災による被害で局舎が全壊。その後はながらく神戸駅近くのビルで放送を続けられ、昨年1月17日、震災からちょうど10年のその日、再建が完成したこの局舎からの放送が、力強く再開されたのです。
 その間、この場所は公園として、緑したたり、きれいな花が咲き、四季折々に道ゆく人のオアシスとして開放されていたのも、つい昨日までのことのように思い出されます。
 本当に長いような、短いような11年。
 17日夕方には、震災を扱った特別番組の中、この千羽鶴を背景にした生中継もテレビ放映されました。


★ ★ ★
「市民ギャラリー」会場風景

平成17年3月17日。千羽鶴タペストリー「新たな出発」は、神戸市保健福祉局の「子どもたちへのメッセージ運動」に寄せられたメッセージなどと共に展示されるため、神戸市役所内の市民ギャラリーに運ばれました。
 この運動は、震災の時にはまだ生まれていなかった、生まれていても、まだ小さすぎてよく覚えていない子どもたちに、震災の教訓や命の尊さを語り継ぐために、震災を経験した市民からのメッセージを贈ろう、という運動です。
 この会場では、同時にサークル紙ふうせんによるおりがみ作品展「四季のおりがみ〜平和な四季の移ろいを願って〜」も開催。
 震災による壊滅的な被害の中、それでも確かに移ろい続けたのは「四季」でした。震災復興への取り組みとは、何事もない、平和な四季の繰り返しを取り戻すことでもありました。
 そう考えたわたしたちは、震災の日から今日までの、十回の「四季」と「十二か月」をテーマに、力強い自然の息吹と、頼もしい人の営みへの賛歌を託したおりがみ作品でこの会場を彩ることにしたのです。
 この催しには、埼玉県所沢市立若狭小学校3年2組のみなさまからお送りいただいた千羽鶴も、添えられた「神戸のみなさんへ」のメッセージとともに展示させていただきました。
 なお、「子どもたちへのメッセージ運動」に寄せられたたくさんのメッセージは全て、3月30日の会期終了までこのギャラリーに展示された後、市内の小中学校(協力校)に届けられています。


★ ★ ★

阪神・淡路大震災メモリアルイベント
「鎮魂火2005」

「新たな出発」前ステージ
「鎮魂火」全景 演奏会場俯瞰

そして、この日がめぐってきました。
 平成17年1月17日。阪神・淡路大震災から、ちょうど10年です。
 この日、神戸市中央区・大日六商店街では、今回で6回目となる震災メモリアルイベント「鎮魂火2005」が開かれました。
 商店街通りに面した「大日にぎわい広場」を、真紅の水に浮かぶ約500のキャンドルで埋め尽くして、その灯りのお花畑の中を、1000名を越える参加者のみなさまが、あの日をしのびながらグラスに納めたキャンドルをささげて歩きます。
 その会場に、今年は172000羽の折り鶴が花を添えました。
 澄み切ったオカリナの音色に誰もが耳を傾けたステージの背景には、震災の犠牲となった6433名のみなさまに捧げる千羽鶴タペストリー「新たな出発」。そのタペストリーの脇をしっかりと支えるように、震災当日から60日の間に被災地入りしてくださった民間ボランティアのみなさまの数と同じ、126000羽の折り鶴を納めたガラスプール。
 その周囲を見守るのも、無数の折り鶴。そして神戸市立西神中学校のみなさまから寄せられた、折り鶴で描いた「祈」の文字。
 あの日の悲しみ、恐怖、絶望。続いて襲った苦しみ、焦り、苛立ち。そんな中から生まれた、人と人のきづな。そして協働と復興の確かな力。
 一人一人がそれぞれに、そしていっしょに。あの日から今日までの歩みをしみじみと振り返りました。そして、これだけの折り鶴をお寄せくださった世界中のみなさまのまごころを、しみじみと感じました。
 手作りの、小さな催しだけれど、みんなの思いは、確かに一つになりました。
 
 そして、翌日。世界約150か国・約4000名のみなさまが参加する「第二回国連防災世界会議」が市内で開幕。みなさまの手で折られ、つづられた「新たな出発」は、この会場へと貸し出されて行きました。

 「希望の輪 千羽鶴プロジェクト」では、この後も約1年間にわたり、みなさまが折り鶴にこめた思いを、広く被災地内外に発信し続ける取り組みを続けます。


★ ★ ★

千羽鶴タペストリー「新たな出発(たびだち)」披露会
披露会のようす
タペストリー全景 千羽鶴タペストリー「新たな出発」
折り鶴製作 
世界中の有志の皆様
指導
 井上富美子(サークル紙ふうせん)
原画・設計 船引康義 (サークル紙ふうせん)
命名 城戸秀則(大日六商店会)
タペストリー製作 春日野婦人会、宮本婦人会、布引中学校、春日野小学校、大日六商店会、サークル紙ふうせんほか地元有志一同
 平成17年1月12日。10か月間にわたってみなさまからお寄せいただいた折り鶴たちの披露会が開催されました。
 会場の「大日にぎわい広場」の正面に据えられたのは、震災で亡くなった6433名の方々をしのび、6433羽の折り鶴で綴ったタペストリー「新たな出発」。青空にかかる虹と市花・あじさいに彩られた神戸港を出港するコンテナ船。背後には六甲の山々、神戸・阪神の町並み、そして明石海峡大橋で結ばれた淡路島。
 あの日以来、世界中からご支援や激励をいただいた神戸の街から、今度は世界中へ、震災の教訓と復興のいぶきをお返しする、希望の船出です。
 このタペストリーは、幅6m、高さ2.2m。特製の分割式展示架に掛けられて、移動や収納が容易なようにくふうされています。
 この日までの集計で、集まった折り鶴は172000羽。その中から126000羽を納めたガラスのプールも披露され、震災の日から60日間に被災地に駆けつけて下さった民間ボランティアの皆様の延べ人数を記念しました。
 その他の折り鶴も色別に綴られて会場内外にずらりと掛け連ねられ、ご協力くださったみなさまそれぞれの思いと祈りが、参列者のみなさまの胸を打ちました。
 この後折り鶴たちは、22日まで大日六商店街に展示され、さらにその後1年間にわたって貸出要請のあった各施設や団体で展示される予定です。

★ ★ ★

6433羽のタペストリー、ほぼ完成。  平成16年12月、みなさまからお寄せいただいた折り鶴が126000羽になりました。この数は、あの震災から2か月間に被災地へ駆けつけてくださった民間ボランティアの延べ人数と同じです。
 これだけの折り鶴、そのおびただしい数を立体的な量感として感じていただくために、わたしたちは「糸でつづる千羽鶴」という既成概念を脱して、思い切った展示方法を採ることにしました。
 もちろん、当初から予定していた6433羽を使った千羽鶴のタペストリーもほぼ完成、左の写真のように大切に保管してあります。
 予定の募集運動は終了しましたが、「どうしても」という応募のご予約もいただいて、まだ少しずつ、折り鶴は増えそうです。

 

★ ★ ★

受け入れた折り鶴の一時保管。
受け入れた折り鶴は
とりあえずこうして一時保管。
(大日六商店街内)
 9月21日現在で、プロジェクトに集まった折り鶴が130000羽を超えました。今さらながら、わたしたちは「震災から十年」に寄せられるみなさまの思いの大きさにおどろき、そして気を引き締めています。
 一方、お寄せいただいた折り鶴の展示方法についても、まずは震災で亡くなられた6433名の方々をしのんで、6433羽の折り鶴を使ったタペストリーを作ることが決まり、このほど原画ができ上がりました。
 わたしたちの予測をはるかに超えたおびただしい数の折り鶴は、みなさまお一方お一方の思いの積み重ね。
 震災からまもなく10年、あの日の記憶や教訓の風化が目立ち始めた今日このごろ、それでもこれだけの折り鶴がお寄せいただけたこと。わたしたちは、そのこと自体に厳粛な意味を感じています。
 そこでわたしたちは、こうして積み重ねられた思いのたけの「おびただしさ」を表現できる展示方法を検討しています。といっても、展示や保管の場所、予算の制約も無視できません。
 またすでに、各種施設や団体のみなさまから「1月17日以降、お寄せいただいた折り鶴を貸し出してほしい」という要請もいただいているので、そのための保管や輸送にも考慮しておかなければなりません。そんな中、従来の「糸を通して綴りあげる」という手法にとらわれることへの疑問も持ち出され、今、いろいろな可能性を模索しています。

★ ★ ★

 7月24日、神戸市長田区の大正筋商店街に、「千羽鶴プロジェクト テンポラリーサイト」を特設させていただき、折り鶴のご協力を呼びかけました。

★ ★ ★

お寄せいただいた折り鶴、33000羽突破
 6月10日現在、わたしたちは、大日六商店会、近くの春日野小学校、葺合中学校、春日野婦人会、宮本婦人会、サークル紙ふうせんなどの有志で、みなさまからお寄せいただいた折り鶴を色調ごとに区分けする作業をしています。
 現在集計できた限りでは33000羽。その後も毎日、区分け待ちの折り鶴が増え続けています。
 区分けした折り鶴は、綴る順番をくふうして、全体として一幅の絵になる千羽鶴モニュメントにしようと思います。
 通りがかったビジネスマンの方が、お仕事中のお時間を割いて、立ち止まったまま折ってくださった一羽の折り鶴。お一人で持ち込んでくださった、はちきれそうなポリ袋の何百羽もの折り鶴。どれもありがたく、お預かりしています。
 このあと、どれだけたくさんお寄せいただいても、何らかの方法で全てを展示できるように、みんなのアイデアを集めて、展示方法もいろいろ検討中です。
 また、みなさまの心のこもったこれほどの折り鶴、ただ一回展示するだけではもったいなさすぎて、1月17日を中心とした何週間かにわたり、ほかにも会場を設けてみなさまにごらんいただけるような計画も持ち上がっています。
   




「阪神・淡路大震災から十年 希望の輪 千羽鶴プロジェクト」折り鶴募集要項
(参考収録・実際の募集は終了しました。)

・応募資格
 特に限定しません。どなたでもご自由にご応募ください。お一人一羽でけっこうですが、お志により複数の折り鶴をご応募いただいても全く差し支えありません。

・募集する折り鶴の規格
  ・一辺15センチメートルの正方形の用紙から折り出したもの。
  ・意匠は一般に行われている一枚一羽折りの伝承おりがみ「おりづる」とするが、細部の差異については問わない。
  ・紙質は問わない。
  ・色はできれば単色無地(市販のおりがみ用紙)が望ましいが、千代紙や模様の入った紙、色を塗ったもの、広告印刷物その他不要の紙の再利用も差し支えない。
  ・背中をふくらませていないもの。
  ・受付期間は、平成161231日到着分までです。


・応募方法
 折りあがった折り鶴は、以下のいずれかの方法でご応募ください。
  ・直接ご持参の方
   大日通六丁目商店街内「大日にぎわい広場」(神戸市中央区大日通六丁目、阪急電車春日野道駅北東歩7分)に設置の受付箱に投函してください。
 または、お近くの当プロジェクトスタッフにお手渡しください。
サークル紙ふうせん(日本折紙協会神戸支部)の各イベント会場にいるスタッフもお預かりに応じています。
  ・郵送される方
   サークル紙ふうせん事務局までご郵送ください。(恐れ入りますが、送料はご負担下さい。)

・その他
  ・お寄せいただいた折り鶴は返却できません。
  ・ご応募に対して、経費、報酬その他は支給しません。



このページは「大若=神戸の壁跡1・17の集い実行委員会(清算事業団)」の一部です。

inserted by FC2 system