参考収録資料 | 阪神・淡路大震災から十年 「希望の輪 千羽鶴プロジェクト」 |
平成16年。やがて迎える「『阪神・淡路大震災』から10年」に向け、被災地・神戸で小さな取り組みが始まりました。被災地のどまんなかにある商店街と、メンバーのほとんどが被災者だった
おりがみの同好サークルが立ち上げた取り組みは、市民各位や区、市の協力や賛同を受けて、大きく花開きました。その取り組みの記録を、ここにご紹介します。 時を経て、神戸市の「子どもたちへのメッセージ運動」も当初予定の活動期間=10年間を満了して運動を終了、商店会の顔ぶれもほとんどが入れ替わり、おりがみサークルも指導者の逝去後 活動を停止しています。 とはいえ、今も保管されているこのタペストリーは死蔵しておくにも惜しく、どなたかの手で活用していただけることをお待ちしています。 ここに掲げられた千羽鶴タペストリー「明日への出発」は、当「大若=神戸の壁跡1・17の集い実行委員会(清算事業団)」の船引康義(当時の原画制作・設計者)が保管しています。ご用、お問い合わせ等は当サイトから電子メールでで承ります。 |
サークル紙ふうせんでは、平成17年1月17日の阪神・淡路大震災十周年にあたり、被災地で開催される記念行事の一環として「千羽鶴」の製作と展示を企画しました。 そして、これをいつも「大日ふれあいサロンおりがみ作品展・おりがみ教室」でお世話になっている、神戸市中央区の「大日通六丁目商店街」さまに提案、実施しました。わたしたちの予測をはるかに超える約20万の折り鶴をお寄せくださったみなさま、そしてご協力くださったたくさんのみなさま、ほんとうにありがとうございました。 現在、この千羽鶴タペストリー「明日への出発」は、わたしたち・サークル紙ふうせんが大切に所蔵、保管しています。 |
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希望の輪 千羽鶴プロジェクト 平成16年2月〜平成17年1月 主催 大日通周辺まちづくりを考える会(神戸市中央区大日通六丁目1-4) 企画 サークル紙ふうせん 協力 神戸市保健福祉局・神戸市中央区役所・神戸商工会議所・春日野婦人会・宮本婦人会・E-DESIGN・大日六商店会(順不同) |
平成18年1月11日から1月19日まで、NHK神戸放送局1階のオープンスタジオに千羽鶴タペストリー「新たな出発」が展示されました。 これまでの1年間、いろいろな所に貸し出され、たくさんのみなさまにごらんいただいた「6433羽」の千羽鶴タペストリーでしたが、昨年、確認された震災による犠牲者の総数が1名増えたことを受けて、このタペストリーにも新たに1羽を加え、鶴の総数を「6434羽」としました。 今回は、阪神・淡路大震災発生からまる11年を迎えるにあたって、阪神大震災のパネル写真や視聴者のみなさまからのメッセージを展示する神戸放送局さまの企画「震災11年 被災地つなぐメッセージ」として、神戸市保健福祉局さまのお取り組み「子どもたちへのメッセージ運動」に寄せられた市民のみなさまからのメッセージなども展示され、それぞれのあの日、それぞれの11年の思いが来場者の胸を打ちました。 そういえば、震災前にもこの同じ場所、トアロードに面した神戸市中央区中山手通にあった神戸放送局さまも、震災による被害で局舎が全壊。その後はながらく神戸駅近くのビルで放送を続けられ、昨年1月17日、震災からちょうど10年のその日、再建が完成したこの局舎からの放送が、力強く再開されたのです。 その間、この場所は公園として、緑したたり、きれいな花が咲き、四季折々に道ゆく人のオアシスとして開放されていたのも、つい昨日までのことのように思い出されます。 本当に長いような、短いような11年。 17日夕方には、震災を扱った特別番組の中、この千羽鶴を背景にした生中継もテレビ放映されました。 |
平成17年3月17日。千羽鶴タペストリー「新たな出発」は、神戸市保健福祉局の「子どもたちへのメッセージ運動」に寄せられたメッセージなどと共に展示されるため、神戸市役所内の市民ギャラリーに運ばれました。 |
そして、この日がめぐってきました。 |
千羽鶴タペストリー「新たな出発」 折り鶴製作 世界中の有志の皆様 指導 井上富美子(サークル紙ふうせん) 原画・設計 船引康義 (サークル紙ふうせん) 命名 城戸秀則(大日六商店会) タペストリー製作 春日野婦人会、宮本婦人会、布引中学校、春日野小学校、大日六商店会、サークル紙ふうせんほか地元有志一同 |
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平成17年1月12日。10か月間にわたってみなさまからお寄せいただいた折り鶴たちの披露会が開催されました。 会場の「大日にぎわい広場」の正面に据えられたのは、震災で亡くなった6433名の方々をしのび、6433羽の折り鶴で綴ったタペストリー「新たな出発」。青空にかかる虹と市花・あじさいに彩られた神戸港を出港するコンテナ船。背後には六甲の山々、神戸・阪神の町並み、そして明石海峡大橋で結ばれた淡路島。 あの日以来、世界中からご支援や激励をいただいた神戸の街から、今度は世界中へ、震災の教訓と復興のいぶきをお返しする、希望の船出です。 このタペストリーは、幅6m、高さ2.2m。特製の分割式展示架に掛けられて、移動や収納が容易なようにくふうされています。 この日までの集計で、集まった折り鶴は172000羽。その中から126000羽を納めたガラスのプールも披露され、震災の日から60日間に被災地に駆けつけて下さった民間ボランティアの皆様の延べ人数を記念しました。 その他の折り鶴も色別に綴られて会場内外にずらりと掛け連ねられ、ご協力くださったみなさまそれぞれの思いと祈りが、参列者のみなさまの胸を打ちました。 この後折り鶴たちは、22日まで大日六商店街に展示され、さらにその後1年間にわたって貸出要請のあった各施設や団体で展示される予定です。 |
平成16年12月、みなさまからお寄せいただいた折り鶴が126000羽になりました。この数は、あの震災から2か月間に被災地へ駆けつけてくださった民間ボランティアの延べ人数と同じです。 これだけの折り鶴、そのおびただしい数を立体的な量感として感じていただくために、わたしたちは「糸でつづる千羽鶴」という既成概念を脱して、思い切った展示方法を採ることにしました。 もちろん、当初から予定していた6433羽を使った千羽鶴のタペストリーもほぼ完成、左の写真のように大切に保管してあります。 予定の募集運動は終了しましたが、「どうしても」という応募のご予約もいただいて、まだ少しずつ、折り鶴は増えそうです。 |
受け入れた折り鶴は とりあえずこうして一時保管。 (大日六商店街内) |
9月21日現在で、プロジェクトに集まった折り鶴が130000羽を超えました。今さらながら、わたしたちは「震災から十年」に寄せられるみなさまの思いの大きさにおどろき、そして気を引き締めています。 一方、お寄せいただいた折り鶴の展示方法についても、まずは震災で亡くなられた6433名の方々をしのんで、6433羽の折り鶴を使ったタペストリーを作ることが決まり、このほど原画ができ上がりました。 わたしたちの予測をはるかに超えたおびただしい数の折り鶴は、みなさまお一方お一方の思いの積み重ね。 震災からまもなく10年、あの日の記憶や教訓の風化が目立ち始めた今日このごろ、それでもこれだけの折り鶴がお寄せいただけたこと。わたしたちは、そのこと自体に厳粛な意味を感じています。 そこでわたしたちは、こうして積み重ねられた思いのたけの「おびただしさ」を表現できる展示方法を検討しています。といっても、展示や保管の場所、予算の制約も無視できません。 またすでに、各種施設や団体のみなさまから「1月17日以降、お寄せいただいた折り鶴を貸し出してほしい」という要請もいただいているので、そのための保管や輸送にも考慮しておかなければなりません。そんな中、従来の「糸を通して綴りあげる」という手法にとらわれることへの疑問も持ち出され、今、いろいろな可能性を模索しています。 |
7月24日、神戸市長田区の大正筋商店街に、「千羽鶴プロジェクト テンポラリーサイト」を特設させていただき、折り鶴のご協力を呼びかけました。 |
6月10日現在、わたしたちは、大日六商店会、近くの春日野小学校、葺合中学校、春日野婦人会、宮本婦人会、サークル紙ふうせんなどの有志で、みなさまからお寄せいただいた折り鶴を色調ごとに区分けする作業をしています。 現在集計できた限りでは33000羽。その後も毎日、区分け待ちの折り鶴が増え続けています。 区分けした折り鶴は、綴る順番をくふうして、全体として一幅の絵になる千羽鶴モニュメントにしようと思います。 通りがかったビジネスマンの方が、お仕事中のお時間を割いて、立ち止まったまま折ってくださった一羽の折り鶴。お一人で持ち込んでくださった、はちきれそうなポリ袋の何百羽もの折り鶴。どれもありがたく、お預かりしています。 このあと、どれだけたくさんお寄せいただいても、何らかの方法で全てを展示できるように、みんなのアイデアを集めて、展示方法もいろいろ検討中です。 また、みなさまの心のこもったこれほどの折り鶴、ただ一回展示するだけではもったいなさすぎて、1月17日を中心とした何週間かにわたり、ほかにも会場を設けてみなさまにごらんいただけるような計画も持ち上がっています。 |
「阪神・淡路大震災から十年 希望の輪 千羽鶴プロジェクト」折り鶴募集要項 ・応募資格 |